オキナグサの芽が
2010年 02月 27日
葉は短く、立派な花がついています。温室で育苗したものなのでしょう。
私のところの日本オキナグサは、やっと芽が出始めたばかり。播種したのは一昨年ですが、肥料のやり過ぎか、葉がずいぶん徒長しました。ロングタイプのスリット鉢には3株定植しましたが、ひとつがダメになっています。同じ鉢に1株だけ植えたものもあります。駄温鉢に定植した3株は、どれも芽を出し始めました。そして花壇に植えた4株も、ちゃんと芽がふくらんできました。
全部で10株ありますが、3年目になるので今年こそ花を咲かせてくれるはず。今年は浅い駄温鉢ではなく、128穴のプラグトレイに播種してみるつもり。もちろん全部ではなく、2列32穴に播種してみます。プラグトレイなら根がまとまっているので、移植も容易ではないでしょうか。
ところで、私くらいの年齢の人でもオキナグサを知らないという人がいて、驚きました。
私の子ども時代は自然に親しんで遊ぶことがあたりまえでした。雪が融けて地面が見えてくると、うれしい気持ちでいっぱいになり、よく田圃にカエルの卵を取りにいきましたが、その近くの野原には可憐なオキナグサが花を咲かせていたのです。私はそのそばに仰向けに横たわり、流れていく雲を見て、心地よい春の風を全身で受けたのでした。
そういう体験のない人がオキナグサを知らないといっても別に不思議はないのですが、昔はあたりまえに生えていたものが、今ではめったに見られないという絶滅危惧種に指定されると、何か特別な植物のような気がしてきて、理由もないのにやたらと苗を殖やしたくなるというのは、不思議な気がします。
オキナグサが好きな理由はただの郷愁にすぎないのだろうと私は思います。それはそれで良し。それも私の起源の一部。たくさん苗をつくって、子ども時代に帰ることにしましょう。