除染にヒキガエル活用を

野村総研の主催による「NRI学生小論文コンテスト2011」で、仙台の女子高生の論文が大賞を受賞しました。
「小論文の中で提案したヒキガエルを使った除染は、縄張り争いをせずに個体を増やすことや死骸の乾燥が早く、骨が大きく見つけやすいといったヒキガエルの特徴に着目した方法だ。伊藤さんは、放射線量が高い地域にヒキガエルを投入することで、ハエなどの害虫駆除と、ヒキガエルのふんを餌とするミミズなど土中生物の活性化により、荒廃した土壌の改善に役立つと考察。併せて、体内に放射性物質を取り込んだヒキガエルの死骸を周辺の土とともに回収すれば、除染に貢献できると考えた。」
これは地元新聞のネット記事です。私はその論文を読んだわけではありませんから、記事から内容を推し量るしかないのですが、私の知識の範囲では、これは果たしてどうなのかと思わずにはいられませんでした。

しかし、生物学者の視点から見たらどうなのかということは別として、こういう着想は大いに推奨すべきだと私は思います。私でさえ、土壌微生物が放射性物質を害のないものに変えてくれないものだろうかと思ったことがあるくらいですから、思いも寄らないものが除染に効果を発揮することは、まったくあり得ない話ではないと思うのです。
尤も、除染というのはそう簡単なものではなく、放射性物質はなまなかな手段では消し去ることのできないことは十分承知しています。放射性物質を食べる菌が発見されたというのは最近知ったことですが、自然界に存在しない放射性物質を無害なものに分解するとか変質させるとかといったことは、荒唐無稽な絵空事であるにちがいありません。

ミミズがヒキガエルの糞をエサにして活性化するのかどうかは私には想像できないし、車に轢かれたような場合とちがって、ヒキガエルの死骸というものが、自然の中で実際に見つかるのかどうかも私は知りません。しかし、若い人のこういう発想こそが大事であって、その豊かな想像力が大胆な仮説を構築し、将来思わぬ発見や方法を導き出すという可能性はあるのではないでしょうか。

放射能を浴びて巨大化した生物というのは、よくB級SF映画になりました。広島、長崎の原爆投下で、巨大になった生物があったという話は聞きませんし、核実験場の周囲で生物に異変が生じたという話も聞いたことはありません。生物が巨大になるというのはSF作家のただの妄想かもしれませんが、放射能を浴びた生物は、その細胞やDNAに何らかの影響が生じているはずで、放置された家畜ばかりでなく、小動物への影響といったこともこれから問題になってきそうな気がします。
放射能を浴びた地中のミミズが蛇のように巨大化したら、これは恐ろしいことです。エサの関係でそんなに巨大化することはあり得ないでしょうが、大きさは変わらなくとも突然に変異して、生態系に大きな影響が出てくる可能性はないとは言えません。生物学者たちは、もうその調査の準備に入っているのでしょうか。


除染にヒキガエル活用を_f0086944_11241777.jpg

庭のバラを短く剪定し、冬支度をしました。最後に残ったオフェリアです。
今年は発酵肥料が失敗し、バラはうまく育ちませんでした。世話を怠っていたせいで、秋にはすっかりうどん粉病だらけ。花も少なく貧相で、すぐ傷んでしまい、写真を撮る気持ちになれませんでした。
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by 130atm | 2011-11-24 11:24 | 日常雑感 | Comments(0)

民草のつぶやき


by 一拙
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