ネキリムシ参上
2015年 07月 04日
ベビーリーフの大敵、カブラヤガの終齢幼虫だ。
ベビーリーフの収穫が終盤になってくると、苗が根元から腐ったように折れてくる。ロロロッサやアイスバーグレタスにその傾向が強くあらわれる。高温と湿気で腐ってくるのかと思っていたが、実際の主たる原因は、この幼虫にあったのだ。いわゆるネキリムシである。
ヨトウムシは徹底的に駆除してきたから、その終齢幼虫が土から出てくることはほとんどないが、ベビーリーフを撤去したら、このネキリムシが土の中からゴロゴロと出てきた。写真はその一部。やはり終齢のヨトウムシとはちがうものだ。
ベビーリーフを播種して芽が出たころに、その芽が消えていくことがあった。ナメクジかカタツムリだと思っていたが、消えた芽のあたりを掘ってみると、この幼虫が出てきた。小さなものも大きなものもあった。
ベビーリーフを撤去して整地するときに、もっと徹底してこの虫をさがすべきだったのだ。1匹でも見逃すと、出たばかりの芽がやられてしまう。そのためにセルトレイに予備で播種しておく必要があった。
ヨトウムシの生態はよく知っていたつもりだが、このネキリムシと呼ばれるカブラヤガの幼虫や、似ているタマナヤガの幼虫の生態はまったく知らなかった。このネキリムシは、ふ化した幼虫は初め植物上で食害をするが、中齢以降は地中の5センチ以内の浅いところに潜入し、夜間に食害するという。ヨトウムシだと思っていたものは、ほとんどがこれだったのだ。ヨトウガは葉裏にビッシリと産卵するから見つけやすいが、ネキリムシの産卵行動はどうなっているのだろう。
調べてみると、古葉、枯葉、腐植物に産卵し、生葉には産卵しないようだ。1ヶ所に産卵するのは1粒がほとんどだというから、ますますもって見つけにくい。だからどうしても食害のある葉をみつけて幼虫を探すしかない。
発生は年2~3回。幼虫がいつでもいるというわけではない。被害を避けられないのは、露地栽培の宿命だろう。