朝採り?夕採り?


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2回目に播種したベビーリーフ。これでも20日ほどたっているが、これから急速に大きくなってくる。

収穫をはじめているベビーリーフに潅水するのを、しばらく止めてみた。それでも葉が萎れてくるようなことはなく、暑い日中は別として、夜にもなるとシャキッとしてくる。表層の土は数センチに及んでカラカラだが、根が深くのびて、水分も養分も吸い上げているのだろう。

野菜は土壌から吸い上げた窒素成分を日中の光合成でタンパク質に変えるが、ハウス栽培だと日光量が不足して光合成が十分に行われず、硝酸塩(硝酸態窒素)として野菜に残留する。だから、EUでは施設栽培は有機農産物として認証されないという。露地栽培のホウレン草は60日かけて生育するが、ハウス栽培では半分の30日ほどで収穫できるために光合成が十分に行われず、これも硝酸塩として残留するという。

朝採りの野菜は、夜に吸い上げた窒素分を光合成する前に収穫したものなので、硝酸塩が残留している。新鮮な野菜は朝採りするものだという先入観が、ここで打ち砕かれる。新鮮にはちがいないが、有害な硝酸塩がたっぷり含まれているのだ。
つまり、朝採りではなく、夕採りがいいということなのである。日中にしっかり光合成した野菜は硝酸塩の残留濃度が低いというが、本当にそうなのだろうか。私は専門家ではないから、そういうものなのかと受け取るだけである。早朝に起きて収穫するよりも、夕刻に収穫するほうが身体が楽だし、お裾分けするにも時間的に都合がよい。

生産業者の場合、ベビーリーフの栽培はビニールハウスでするのが常識だ。日照はともかくとして、雨で肥料が流亡することがないし、根腐れするということもない。害虫の侵入も防ぐことができる。温度の管理も、できないことはない。硝酸塩が残留しようがしまいが、見た目はしっかりしているから、生産者にとっては問題無いのだ。
露地で栽培する家庭菜園家は、大雨や害虫や、強風など、艱難辛苦に遇いながら収穫にこぎつける。それでも、無い知恵を働かせ、少しでも状態のよい苗に育てあげる楽しみがある。
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by 130atm | 2016-05-16 08:23 | 野菜 | Comments(0)

民草のつぶやき


by 一拙
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