石巻市雄勝町
2019年 09月 22日
石巻河北ICから東に45分ほど車を走らせると、雄勝町の港に着く。そこからさらに山道に入り、クネクネとした道を15分ほど行くと、私の姉の住む某地区に着く。
山道を外れて海に向かう坂道を下りていくと、小さな漁港がある。その途中に私の姉の家がある。
元々横浜に住んでいたが、連れ合いとともに終の棲家を捜し回って、ここに落ち着いた。
その2年後にあの大震災が起きた。幸いなことに高い場所に家があったので流されずにすんだが、港に近い家が数軒流されている。
ここの港にはテトラポットが新たに追加されただけで、防潮堤はつくられていない。港に立つと、こういう風景がひろがる。
雄勝湾の防潮堤は、住民の反対を押し切って着工された。高さ9.7メートル、延長約1.8キロ、建設費は66億円。
道路も未整備で、片道通行の箇所も多い。工事のダンプカーが通ると土埃が舞い上がる。
要塞のような防潮堤は、地域の人々からは冷たい目で見られている。
あんなもの、津波が来たら軽々と乗り越える。みんなそう思っている。
雄勝町に来ても海が見えない。そういうところに観光客が来るだろうか。
それでも仮設商店街「おがつ店こ屋街」ができている。この建物の後ろは防潮堤だ。
「日本一美しい漁村 雄勝」へようこそ!
高い防潮堤に囲まれた、見えない海。もちろん、防潮堤についている階段をのぼれば海が見える。
「海の見えない日本一美しい漁村 雄勝」へようこそ!
住宅は高台に建ててある。津波が来るというときには真っ先に高台へ避難すればいい。だから、防潮堤をつくる意味があるのか。高い防潮堤があっても、津波はそれを楽々と乗り越えて襲ってくるだろう。だから、防潮堤はいらない。住民はその矛盾を抱えて生活している。
近所の人が姉のところにホヤを持ってきた。今朝獲ったばかりの天然ホヤだ。ミミズのような生きた虫もついている。それを昼に食べたのに、帰りに10個も持たされた。その他、冷凍したウニやホタテ、マグロのブロックなどなど。すべて近所からのお裾分け。しばらくは贅沢な食卓になる。
高い堤防・・・
東北の海岸線は要塞のようになりましたね。
海の見えない海岸線。。。
海岸線を走る楽しみがなくなりました。
海が見えてこそですよね。
せめてもの思い出は、折石には行けて居たことです。
雄勝にもゆきました。
硯の立派なのも拝見しました。
もっと、三陸線にも乗って、遠くへ行きたかったのですが、
それも今となっては、無理ですね、切ないです。
津波の死者に対する思いやりなのでしょうか。