フトミミズ糞菌ごはん
2006年 11月 21日
このごはんは今月10日に仕込んだもので、今日で11日目。ごはんを覆った糞塊に白い菌糸の伸びているのが見えたので、菌が十分に繁殖したと判断。ごはんは台所用の水切りネットの不織布に入れましたが、こうするとごはんを糞の微塵で汚すことなく取り出せるのです。
上が全体像。下が半分に割ったもの。ごはんの中まで白い菌(麹菌)がびっしりです。今年4月につくったものとほぼ同じ様子です。青、黄、赤、茶、そして黒っぽい菌もあります。糞塊の中のすべての微生物が移ったというわけでもないのでしょうが、竹林などで採取できる土着菌はんぺん(土着菌の白い塊)と同等、あるいはもっと多種類の微生物がいるのではないかと、甘い期待を持っています。私は研究者ではありませんから、残念ながら微生物の組成がどうなっているのか分かりません。
このごはんを直接発酵肥料づくりの元種として利用することもできるでしょうが、私はこれで土壌微生物の培養液をつくります。
このごはんの重さは540グラム。小ぶりのカメに入れて、ざっとほぐし、ごはんの半分量270グラムの粉黒砂糖を上にドサッとかけます。そうして和紙のフタをして紐で括ります。そして冷蔵庫の上などの暖かい場所に置きます。
翌日には黒砂糖はかなり溶解しています。そこで少量の水を足して全体をよく掻き混ぜ、雑炊状にします。
一週間ほどは毎日掻き混ぜ、カビの生えないように気をつけます。やがてガスが発生し、泡が少しずつ立ってきます。これは微生物が発酵増殖するときに排出する炭酸ガスです。こうなると2~3日置きくらいに掻き混ぜるだけでよくなります。エステル臭というのでしょうか、少しツンとくる甘酸っぱい臭いも出てくるようになります。
途中水分が足りなくなってきたら少し水を足して雑炊状を保ちます。
泡の発生がなくなったら完成です。今の時期では20~30日程度要するでしょうか。ごはん粒は完全にはなくなりませんので、少し水を足してお茶漬け状にし、固形物を濾し取った液に同体積の粉黒砂糖を混ぜて土着菌培養液の原液の完成となります。この状態では微生物は休眠状態になっています。
残った固形物(ごはん粒)にはまだ微生物がたくさん付着していますから、これに水を足して濾し取り、少し黒砂糖を足して培養する、あるいは希釈して灌水すると無駄がありません。
私はこの培養液の原液で拡大活性液をつくって発酵肥料をつくるときの元種とし、あるいは希釈して灌水するのですが、最近は一回に50㏄も使うので、多めに用意しておく必要があります。仮に原液が500㏄できたとすると活性液は5リットルつくることができ、1年分は十分にまかなうことができます。
この活性液は、ボトルの底に沈殿物ができます。私は以前にEMを買っていましたが、これが同じように底に沈殿物がありました。EMはどのような製造工程を経て製品化されているのか知りませんが、仮に私のつくった活性液と市販のEM1が同じ発酵段階の微生物資材であるならば、活性液をさらに発酵増殖させることができそうです。そうなれば、500㏄の原液を50リットルにまで拡大発酵させることができるということになります。それ以上の拡大発酵は微生物のバランスが崩れてしまうと思いますので、この辺が限界なのではないかと考えています。