蝴蝶の夢

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2007年 10月 31日

腹立ちまぎれに

まず詩をひとつ。

   世の中ほんとに楽じゃない
   お天道さまが見てござる
   去年東の物奪れば
   きょうは北へとまたもどる
   不義のお金は雪と融け
   ただの田畑は水かぶる
   ずるい手だてで世を渡りゃ
   雲や霞とはかなく消える
                    (『金瓶梅』 第十八回)

偽装だの詐欺だの接待だのと、ニュースが始まればこればかり。こう毎日毎日世の中の不祥事さがしばかりしていると、今日はここか、明日はどこだろうと、だんだん怒りも収まって、まるで娯楽番組を見ているような気分になってくるではありませんか。

中でも影響の大きかったのは、NOVAの破綻。受講生や講師の方々の苦境が思いやられます。
行方を眩ましている猿橋社長と我が身を引き比べてみると、我が身の無能さをつくづくと思い知らされます。事業力、贅沢をしたいという欲望、そして後先を考えない突進力。どれも私の遠く及ばない能力でありました。
私にも金銭に対する欲望はありますが、如何せん、それを実現する能力はまるでありません。事業を興し、日本一の会社にして海外にまで進出するという野望は大変な能力で、そういう意味でも私は無能の人であります。無能の人でありながら、何とか家族を支えて来られましたし、社会から白い目で見られることもなく、細々と生きることができています。何も廬生を気取っているわけではありませんが、何と気の楽な人生であることか。
猿橋社長はワンマン社長であったそうです。誰も彼に異論を唱えることはできなかった。このワンマンであるということに贅沢な生活が結びつくと、会社が危うくなるというセオリー通りの結果を招来することになります。要するに、有能な彼にしても、「大いなる勘ちがい」をしていたということなのです。もっとも、破綻した主な原因は急速な事業拡大による負債の増大にあったようですが。

「大いなる勘ちがい」といえば、守屋元防衛省事務次官もそうでしょう。証人喚問をラジオで聞いていましたが、自民党議員の追求はまさに形だけのもので、茶番そのものでした。守屋氏の疑惑の核心は、接待を受けたか口利きをしたかという低レベルのことではなく、普天間基地の移転に関する利権の構造にどう拘わっているか、ということにあると言われています。これを野党が証拠をつかんで追求できるのかどうか、はなはだ心もとありません。

びっくりしたのは「吉兆」の賞味期限改竄発覚でした。湯木貞一の「吉兆味ばなし」(暮らしの手帖社)はウチにもあります。湯木貞一氏は化学調味料も使う料理人でしたが、少しは参考にさせてもらったように覚えています。
その今の経営陣は、会社が指示していたのではないと釈明していました。また、現場に任せきりであったとも言っているようです。実はここに大きな責任があるのです。
賞味期限や材料のごまかしなど、これだけ世間を騒がせた事件が続発しているのに、たくさんある関連会社に何の注意も訓示も、そして自主的な社内検査もしていなかったということ! 「危機管理」という言葉はあまり好きではありませんが、これこそ「不作為の責任」と言うべきものなのでしょう。厚労省の「薬害肝炎」患者リストを保有していながら告知をしなかったというのも「不作為の責任」そのもので、作為によって生じた事故・事件より、もっと悪質である場合があるのです。

腹が立ってきたので、ついでに「金大中拉致事件」も。
私が学生の時分、ちと背伸びをして『世界』を購読しておりました。ちょうどアメリカを経由して日本に来た金大中氏が『世界』に寄稿した論文を読み、その民主国家実現に努力している氏の情熱に心打たれたばかりの時、「金大中拉致事件」が起こったのでした。
当時すでに捜査当局が韓国政府機関の仕業であると断定していましたが、なぜか時の首相田中角栄は「政治決着」をしてしまったのです。その政府方針を伝える特使の椎名悦三郎(当時自民党副総裁)が軍事独裁政権の朴正煕大統領に頭を下げている写真が韓国の新聞に載り、まるで日本が韓国に対して謝罪をしているような印象を受けたのは、今でも忘れることができません。
田中角栄が政治決着をした理由は、今以て解明されていません。韓国政府が今になって日本の主権を侵害したと謝罪しましたが、金大中氏が日本政府に対しても不満を表明したのは当然のことだと、私は思っています。
政治決着をした理由は何か。揣摩憶測をすれば、それはきっと、あとで大きなカネが動いたに違いない。それ以外には何も考えられないのです。もし仮にそうだとすれば、日本政府は金大中氏を独裁政権に売り渡した、ということになるのです。韓国政府は権力者が代わってもこの事件に対する捜査と総括を忘れませんでしたが、日本政府は解決済みのこととして与野党ともに蒸し返すことはしませんでした。
「政治決着」という不可思議な幕引きをしたことについて、韓国側から謝罪を受けた今、日本政府は金大中氏に謝罪するのが現政権のとるべき態度であると、私は考えています。

ついでにつたない写真を一枚。今朝のインカです。
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by 130atm | 2007-10-31 15:37 | 独断偏見録 | Trackback | Comments(0)
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