自分流手作りギョーザ
2008年 02月 07日
中国製ギョーザ中毒事件の影響は、ギョーザ離れと手作りをしようという二方向に分かれているというテレビの分析があった。手作りをしようとする人が増えているので、挽肉や皮などの売れ行きがいいのだそうだ。
そのテレビを見ていたら、冷凍ギョーザは恐くて買えないし、子供が食べたいと言っているが自分では作り方を知らないので悩んでいるという主婦のところに局がフードアナリストを派遣してギョーザの作り方を伝授する、という映像が流れた。
そのアナリストは食材の購入から付き添うのだが、何とそのスーパーには皮が一袋しか残っていなかった。
食材は豚挽肉とキャベツとニラ、そしてニンニクとショウガ。出来上がったギョーザを夫と子供たちが食べて大満足というハッピーエンドであった。
くだんの事件の冷凍ギョーザの袋には「手作り餃子」とあった。蓋し「手作り」とは、自分が作ってこそ「手作り」であって、他人が手で餡を包んでも、それが工場製であるかぎり「手作り」とは言えないだろう。事件報道の喧噪が一段落して、ギョーザは自分で作ろうという発想がテレビにも生まれたというのは、まさに「禍は福の倚る所」なのかもしれない。
実は昨日、私は食材を用意してギョーザを作ってしまった。私の作るのは、私が旨いと思うように作ったもので、ほかの人の口に合うかどうかは分からない。人気のある店のギョーザには何か秘密の調味料や作り方があるにちがいなく、私の作ったものは素人が考えたものにすぎない。この先何度か作っていくうちに、ひょっとしたらもっといいヒントやアイデアが得られるかもしれない。
ギョーザの餡の材料(大判100個分)
豚バラ肉(ブロック):800g キャベツ:350g 長ネギ:150g(大1本) ニラ:100g(1束) ニンニク:100g ショウガ汁:大さじ1.5
塩:少々 胡椒:適量 日本酒:大さじ3 紹興酒:大さじ2 ナンプラー(なければ醤油):小さじ2 ゴマ油:大さじ3 鶏ガラだし(顆粒):大さじ2 オイスターソース:大さじ2
餡の作り方
①豚バラ肉はできるだけ細かく切り、塩少々を振り、日本酒をかけて全体をざっと混ぜておく。
②キャベツ、長ネギ、ニラはやや細かく切って、ざっと混ぜる。ニンニクは微塵に切っておく。
③キャベツと長ネギとニラは、量が多いので2回に分けてフードプロセッサにかける。微塵になり過ぎないよう注意する。
④豚ばら肉も2回に分けて、ねっとりするまでプロセッサにかける。
⑤微塵野菜に肉をのせ、微塵のニンニク、ショウガ汁、鶏ガラだし、紹興酒、ナンプラー、ゴマ油、オイスターソースを加え、胡椒を振って全体を十分に掻き混ぜて馴染ませる。
⑥1時間以上寝かせてから、皮で餡を包む。
豚バラ肉は脂身のやや多いものがよい。フードプロセッサにかける前にできるだけ細かく切っておくと、筋がプロセッサの刃に絡まることはない。以前には、ジューシーさを出すためにラードを加えたこともあった。豚肉の量が多いと餡が固まってしまうので、この割合になった。
野菜を2回に分けたのは、そのほうが早く均一に微塵になるからだ。私の使うフードプロセッサは業務用なので、2回に分けたらあっという間に予定より微塵になり過ぎてしまった。2回目は注意したつもりだったが、これもあっという間に微塵になり過ぎた。失敗失敗。
以前はショウガやニンニクも野菜と一緒にプロセッサにかけたが、ショウガの繊維が刃に絡まって切れ味が落ちた。ショウガは絶対にすり下ろして汁を搾ったほうがいい。私のプロセッサは小さな容器と刃がセットできるので、ニンニクはそれで微塵にした。
ニンニクの量は好みによる。この量であれば100gが適量で、好きな人はもっと量を増やすといいが、胃に負担がかかる。
調味料は工夫のしどころで、私はしないが砂糖を加える人もいるようだ。
このレシピで改良すべき点は、キャベツの処理かもしれない。出来上がった餡がやや水っぽいのである。昔は白菜を湯通ししてから微塵にしてみたが、キャベツのほうがおいしいと結論した。このキャベツもサッと湯通しして、やや細かめにざく切りにして水分を絞り、その後に微塵にするとよさそうだが、それは次回で試みる。
たくさん作ったギョーザは冷凍して保存する。バットに並べてラップをし、冷凍庫に入れて完全に凍ってから密封袋に入れ替える。
大判100個分の量はかなり多い。普通判なら150個分にはなるだろうか。これだけの量を作っておけば、少しは晩ご飯の手間が省けるというもの。
中国の本来のギョーザは皮が厚く、ニンニクも餡には入れないという。皮の歯ごたえをたのしむのがギョーザであるならば、私のは「なんちゃってギョーザ」だ。その本来のギョーザを食べたことがない私は、井の中の味を追求しているだけなのである。